古文書講座(初級編)を開催しています その1

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 こんにちは。
 5月7日(土)、平成23年度の第1回古文書講座(初級編)を開催しました。昨年度も多数の方に参加していただきましたが、今回は71名の方に参加していただきました。
 古文書を読んでみたい、「くずし字」が読めるようになりたいという高いニーズがあることを実感しました。

 初級編は、全5回です。
・日 時:5月〜9月、毎月第1土曜日、13:30〜15:00
・会 場:県立図書館会議室
・参加費:無料

 今回は、「くずし字」解読の入り口として「仮名文字」(変体仮名)を取り上げました。変体仮名は、明治33年(1900)の小学校令施行規則改正以降の学校教育で用いられていない平仮名でのことです。
 私たちが学校教育の中で学んだ平仮名は、1音1字で、48音48字です。 例えば、平仮名の「あ」は漢字の「安」を字母としています。しかし、他にも「阿」「亜」「愛」等を字母とした「あ」とよむ仮名があり、全部で322種の変体仮名があるとされています。
 変体仮名を一部でもマスターすることは、それまでに出版された本や私たちの祖父母や曾祖父母達が書いたものを読むためには必須のことですが、短時間にマスターすることは少し難しいかもしれません。

 このための第一歩として、明治時代に使われていた教科書『小学入門 乙号』(初版は明治8年刊)の「いろは」や「百人一首」を紹介しながら、最低限知っていただきたい変体仮名について触れていただきました。講座の中で使った『小学読本 乙号』は、現在の東松浦郡玄海町長倉で実際に使われていたもので、書き込み(落書き)や破れがあちこちにあります。

小学入門

            『小学入門 乙号』

 なお、『小学入門 乙号』の全文を以下の「国立国会図書館近代ライブラリー」で読むことができます。明治初期に小学生が学んだ内容がわかると共に変体仮名の入門書にもなります。よろしければ是非ご覧下さい。

 http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/810918

 次回は、変体仮名に加えて「候文」に触れていただく予定です。

たくさんの方に参加していただきました

      たくさんの方に参加していただきました