佐賀大学地域古典籍分析論ゼミの皆さんが来館されました

 こんにちは。

 11月25日(木)、佐賀大学文化教育学部から地域古典籍分析論を受講されている学部生の皆さんが来館されました。

 地域古典籍分析論という、ちょっと聞き慣れない講座かもしれませんが、文化教育学部の白石良夫先生が担当されておられます。
 武家や禅僧が支えた風雅の道や庶民が作った文化が栄えていた近世佐賀の文学・文芸の独自性を明らかにしようとする意欲的な講座です。
 今回わざわざ来館していただいた目的は、佐賀県立図書館が所蔵している古典籍の収集について話を聞きたいとのことでした。

 県立図書館には、一般図書のなかで「J本」としている約1,000点の和漢の古典籍をはじめ、鍋島家文庫や蓮池鍋島家文庫などにも多数の古典籍を所蔵しています。
 「J本」は県立図書館が佐賀図書館として大正2年(1913)に建設されて以来、収集されてきた貴重な財産です。残念ながら、資料の状態等から貸し出すことはできませんが、館内で閲覧していただくことができます。皆さんがご存知の、万葉集古今和歌集太平記日本外史大日本史史記資治通鑑などの「古典」がズラリと並んでいます。当然、木版刷ですが手書きの写本もあります。

 さて、こちらからお話ししたのは、古典籍を含む古文書等の歴史資料を頂いたり預かったりした時の「裏話」めいたことです。
例えば、あるお宅の資料を預かる過程でやり取りした所蔵者の方とのメールや手紙のファイルが2冊にもなったことがあることや、調査のためにお宅をお邪魔した時、こちらに対する信用に比例して見せていただく資料が増えたりした話をしました。

 先祖伝来の貴重な資料を頂いたり預かったりする訳ですから、納得していただけるまで説明し、足を運ぶことが必要です。
 しかし、何より大切なことは、所蔵者の方からの信頼関係をどのように築くのか、そして維持していくのかということです。いずれも時間がかかりますし、長期間の関係になります。

 話の後に、書庫で「J本」を直接手にとって見ていただきました。
古典籍に関心を持っていただくと同時にその保存や価値についても今後講義の中で理解を深めていただきたいと思いました。

*「J本」については、県立図書館HPから検索することができます。

話の途中です
(写真)説明の様子