古文書講座(初級編)を開催しています(その2)

 こんにちは。
 8月7日(土曜日)、第4回古文書講座(初級編)を開催しました。
 これまで、変体かな、候文、返読文字、人名によく出る文字や漢数字等の用例に取り組んでいただきました。今回は、基本的な変体かなやくずし字の復習を兼ねて「延享(えんきょう)四年(1747) 手頭(てがしら)」(横武家資料)を参加者の方々と一緒に読んでみました。「手頭」は、一ツ書の形式で書かれたもので、掟や見本といったような意味で用いられることが多いようです。
 今回は「一 百姓ハ天下の百姓にして國家の寶…」ではじまり、百姓を大切にすることを説いた第一条、「一 田畑仕付時を失ハず、念を入作り候…」ではじまり、田畑をきちんと管理するようにと指示した第二条、「一 百姓共他領より養子縁組…」ではじまり、養子縁組の段取りについての第十二条、「…百姓共迄召集、懇ニ申聞置旨…」と書かれた末文を取り上げました。全条を読むことはできませんでしたが、農民支配の考え方の一端を知ることができたのではないでしょうか。
 今回で4回目になりましたが、参加者の方から以下のような感想をいただきました。ありがとうございました。

〇「とても分かりやすかった。赤ペンでたくさん書き込みをした。異体字(略・秋)や草冠の崩し方などが面白かった。」(20代女性)
〇「博物館の資料を見る時に、いつもは崩し字を読むのをあきらめてしまうけれど、先日初めて文字を読みながらじっくり見ることができてうれしかった。」(60代女性)
また、「今年度から参加し、今は図書館にある古文書の複製本を解読中です。分からない文字を相談したいけれど、相談者がいない。」(60代男性)と話された方の解読をみせていただいたら、もう初級編レベルではなく中級編でよいのでは、という上達ぶりで驚きました。向上心をもって勉強なさっているのだな、と感じました。

 佐賀市内の旧家に伝わった今回のテキストは、県立図書館が昨年8月に実施した調査によって確認したものです。古文書を自宅に所蔵されている方はぜひ県立図書館まで情報をご提供ください。

猛暑の中、たくさんの方に参加していただきました。
(写真:猛暑の中、たくさんの方に参加していただきました。)