資料の検索区分に「古典籍」を追加しました その2

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。
 こんにちは。

 県立図書館ホームページの蔵書検索の資料区分(図書、雑誌、視聴覚資料、複製史料)に「古典籍」が追加されたことは先日紹介しました。
 「古典籍」ですから当然「漢籍」もあります。歴史の教科書あたりで馴染みがある「後漢書(ごかんじょ)」や「資治通鑑(しじつがん)」等もあります。その他、「宋元通鑑(そうげんつがん)」、「大明律(だいみんりつ)」、「近思録(きんしろく)」、「史記評林(しきひょうりん)」等が巻数も多く目に付きます。

 「漢籍」は、1911年以前、清の時代ということになるのでしょうか、中国人が中国語などを用いて自著、編集、注釈、筆述した著作を指すということですので、県立図書館が所蔵している「漢籍」はほとんどが和刻本漢籍漢籍ということになるのかもしれません。
 また、漢字辞典である「康煕字典(こうきじてん)」も所蔵しています。

 「漢籍」の定義については:
http://www.kulib.kyoto-u.ac.jp/modules/refguide/index.php?content_id=16

 このほか、「古典籍」とはいえませんが、外国語の辞書もあります。「長崎ハルマ」 で知られる「和蘭字彙(おらんだじい)」(安政2年(1854))、「英吉利文典いぎりすぶんてん)」(慶応3年(1867)阿部氏蔵板)、「英文熟語集(えいぶんじゅくごしゅう)」(慶応4年(1868))「仏語明要(ぶつごめいよう)」(元治元年(1864))等ですが、「仏語明要」の各巻末には、「鍋島藩蔵書」の蔵書印があります。このことから佐賀藩でも、日本初の本格的仏和辞典である「仏語明要」を備えていたことがわかります。

 佐賀藩とフランスといえば、1867(慶応3)年、パリで開催された万国博覧会佐賀藩から佐野常民や小出千之助、佐賀藩御用商人であった野中元右衛門や深川長右衛門が派遣されています。
 小出千之助等が使用したフランス語辞書等については佐野常民記念館のホームページで紹介されています。

パリ万国博覧会佐賀藩については:
http://www.saganet.ne.jp/tunetami/con_17/con_17.html

 佐賀藩におけるオランダ語については、江藤新平所蔵の漢詩参考書『円機活法(えんきかっぽう)』の裏打ち紙としてウェイランド著『オランダ語文法』が使われており、佐賀藩での蘭学の位置づけの変化が推測できます。