ギャラリートーク@鳥栖市立図書館

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 こんにちは。

 12月25日(日)、『坂の上の雲』の主人公秋山好古・真之兄弟の書簡(複製物)が展示されている鳥栖市立図書館でギャラリートークを行いました。
 NHKドラマスペシャル『坂の上の雲』第3部最終回放送の日にお話しするという機会を与えていただきありがとうございました。

 今回は、「秋山兄弟と佐賀のつながり〜「坂の上の雲」と塚原嘉一郎〜」ということで、書簡(複製物)が展示されているスペースではなく会場を準備していただきましたのでパワーポイントとレジメを使いながらゆっくりと話をさせていただきました。

 内容は、「「坂の上の雲」と秋山家」、「秋山家と塚原嘉一郎」、「秋山兄弟からの書簡」、「戦後の塚原嘉一郎」に大きく分けて話をしましたが、秋山好古の長女與志と佐賀出身の塚原嘉一郎が結婚したこと、嘉一郎の弟孫一の仲人は好古だったこと、嘉一郎の弟篤次が亡くなったときの好古の愛情溢れるお悔やみ、辛亥革命を主導した孫文支援や中国南部の資源開発の同志であった真之と嘉一郎の関わり、東杵島炭坑の経営者としての嘉一郎などについて紹介しました。
 また、真之死去に際して好古から嘉一郎に宛てた書簡から秋山家において信頼されていた嘉一郎についても紹介することができました。

 いずれの書簡からも好古の子どもやその親族を思いやる気持ち真之が嘉一郎に抱いていた信頼感が伝わってきます。

 なお、今年は辛亥革命100年」ということで、孫文や日本で孫文の革命を支援した梅屋庄吉、宮崎㴞天、玄洋社頭山満)が話題になりましたが、真之や嘉一郎と孫文との深い関わりを示す「日支組合規約」の締結や広東省興寧鉄山の開発契約締結についても紹介しました。
 「日支組合規約」の日本側代表として真之、嘉一郎他に犬塚信太郎、菊池良一、芳川憲治が、中国側から孫文、帳人傑、蒋介石等が署名しています。嘉一郎が残した資料の中には国民党人脈からの書簡が多く残っています。
 「辛亥革命」の舞台裏を支えた日本人の一人として、嘉一郎の果たした役割についての解明が今後期待されます。

 さて、「坂の上の雲」に登場する陸軍の将官には明治7年(1874)の「佐賀の役」で官軍として戦った人物もいます。例えば、満州軍の総参謀長を勤めた児玉源太郎(当時、大尉)は戦闘で負傷しています。


 『「坂の上の雲」主人公の手紙展示とギャラリートーク』の準備を担当された鳥栖市立図書館のスタッフの皆さまお世話になりました。

ギャラリートークの風景@佐賀市立図書館

 ギャラリートークの風景@鳥栖市立図書館

*当日の様子は西日本新聞平成23年12月28日)でも紹介されました。