ギャラリートーク@諸富館

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 こんにちは。

 11月12日(土)、『坂の上の雲』の主人公秋山好古・真之兄弟の書簡(複製物)が展示されている佐賀市立図書館諸富館でギャラリートークを行いました。
 塚原嘉一郎さんは諸富町寺井津の出身ですが、その地元でギャラリートークの機会を与えていただきありがとうございました。

 今回は、これまでのギャラリートークとは異なり、地元出身の嘉一郎さんのことをより知っていただこうということで、生い立ち、慶応義塾から三井物産での活躍、国内(長崎他)や国外(中国南部・樺太)での鉱山開発・経営、秋山好古長女與志(與志子)さんとの結婚、秋山家との関わり、戦後の嘉一郎さんのことなどについてパワーポイントを使いながら「プチ講演会」的なお話しになりました。

 また、秋山好古・真之兄弟からの書簡の紹介は、真之の危篤の電報に対する返信(葉書)のみとしました。とても短い文面ですが、嘉一郎さんと好古、真之の関係が単に娘婿、姪の結婚相手としてだけではなく、いかに信頼関係で結ばれていたのかをお話しました。

 なお、今年は「辛亥革命100年」ということもあり、孫文や日本で孫文の革命を支援した梅屋庄吉、宮崎㴞天、玄洋社頭山満)が話題になることが多いようですが、真之や嘉一郎さんと孫文との深い関わりを示す「日支組合規約」の締結や広東省興寧鉄山の開発契約締結についても紹介しました。
 「日支組合規約」の日本側代表として真之、嘉一郎さん他に犬塚信太郎、菊池良一、芳川憲治が、中国側から孫文、帳人傑、蒋介石等が署名しています。嘉一郎さんが残された資料の中には国民党人脈からの書簡が多く残っています。
 「辛亥革命」の舞台裏を支えた日本人の一人として、嘉一郎さんの果たした役割についての解明が今後期待されます。

 さて、ほとんどの参加者の方が、NHKドラマスペシャル『坂の上の雲』をご覧になっていたようでしたので、ついつい人物の紹介が、阿部寛さんの好古さん、本木雅弘さんの真之さん、松たか子さんの多美さんとなってしまいました。
 皆さん12月からの『坂の上の雲』第3部の始まりを待っておられるようでした。

 展示「『坂の上の雲』と塚原嘉一郎」やギャラリートークの準備をしていただいた諸富館のスタッフの皆さまお世話になりました。

ギャラリートークの風景@諸富館

ギャラリートークの風景@諸富館

ギャラリートークの風景@諸富館


 ギャラリートークの風景@諸富館