【いよいよ明日から!】佐賀が生んだ時代小説家 滝口康彦氏の作品等を展示します!

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。

 みなさん、こんにちは。

 滝口康彦氏(1924〜2004年)は、生涯の殆どを多久市で過ごし、直木賞受賞作家である古川薫氏、白石一郎氏とともに、「西国(九州)三人衆」と呼ばれて活躍した時代小説家です。
 滝口氏は、生涯のうちに長・短編合わせて100編以上もの作品を発表し、「直木賞」候補も6度を誇ります。
 滝口作品の傑作の一つである「異聞浪人記」は、1962年公開の『切腹』(小林正樹監督/仲代達矢主演)、そして本年公開の『一命』(三池崇史監督/市川海老蔵主演)の原作として2度も映画化され、どちらもカンヌ国際映画祭で高い評価を受けるなど、国内外で脚光を浴びています。
 このたび、県立図書館では、佐賀が生んだ時代小説家 滝口康彦氏を広く皆さんに知っていただくため、当館が所蔵する滝口作品等の展示を行います。特に、近年では新刊書籍として入手が難しくなりつつある滝口作品のほか、滝口康彦氏の御遺族の御厚意により、「拝領妻始末(はいりょうづましまつ)」の草稿(複製物)や、遺品(愛用の万年筆・眼鏡)の写真等も展示します。
 ぜひ、県立図書館に足をお運びいただき、佐賀が生んだ時代小説家 滝口康彦氏の世界を味わってください。
 なお、「異聞浪人記」の主人公が安芸(広島)藩主の家臣だったことから、広島県立図書館におかれても、連携企画として、江戸時代初期の安芸藩主に関する図書資料等の展示が行われます。(概要は参考2)

滝口康彦氏】
滝口康彦氏


【映画「一命」より】
滝口康彦氏
c)2011 映画「一命」製作委員会


1 期間
平成23年9月1日(木曜日)〜10月25日(火曜日)(なお、9月28日(水)〜10月4日(火)は休館です。)

2 展示名 
 「佐賀が生んだ作家 滝口康彦 〜映画『一命』公開記念〜」

3 場所
県立図書館1階 展示ホール

4 展示内容 
(1)当館所蔵の滝口康彦作品
  (「西国三人衆」の古川薫・白石一郎両氏の作品も展示します。)
(2)滝口康彦氏の直筆サイン入り本(「異聞浪人記」)
(3)「異聞浪人記」の全文掲示
(4)「拝領妻始末」草稿(複製物)
(5)遺品(愛用の万年筆・眼鏡)の写真
(6)映画「一命」の宣伝用ポスター、チラシ
(7)広島県の歴史及び観光に関する図書資料等

【※「拝領妻始末」の草稿と愛用の万年筆・眼鏡】(遺品は全て複製物・写真での展示)
ポスター


5 映画「一命」オリジナルポスター(非売品)のプレゼント 
「津雲半四郎(役:市川海老蔵)」と「千々岩求女(役:瑛太)」のオリジナルポスターを、抽選でそれぞれ1名(合計2名)の方にプレゼントします。
 応募用紙は県立図書館1階展示ホール及び2階総合カウンターにて配布します。また、県立図書館のホームページからもダウンロードできます。
 応募用紙の設置及びダウンロードの開始は、9月1日からです。
【参考】ポスター
ポスター
(C)2011 映画「一命」製作委員会




参考1 滝口康彦氏のプロフィール
 1924年佐世保市生まれ。1933年佐賀県多久市へ移る。1938年北多久尋常高等小学校卒業。炭鉱勤務等を経て小説やラジオドラマの懸賞に応募。佐賀をはじめ、九州の歴史に多く題材を取り、「武士の世界」の光と陰、理想と現実の間で生まれる人々の悲哀を一貫して描き続けた。1957年、商業誌デビュー作「高柳父子」が直木賞候補となり、翌年、「異聞浪人記」が第54回サンデー毎日大衆文芸賞を受賞。
 直木賞候補になった作品は、「高柳父子」「かげろう記」「霧の底から」「仲秋十五日」「日向延岡のぼり猿」「主家滅ぶべし」。
 その他、代表作として「落日の鷹」「薩摩軍法」「葉隠無残」「乱離の風」「権謀の裏」などがある。2004年、80才で逝去。
(参考文献『滝口康彦の世界』『清新な光景の軌跡−西日本戦後文学史−』『一命』)
 

参考2 広島県立図書館の展示概要

(1)期間 平成23年9月6日(火曜日)〜10月23日(日曜日)
(2)展示名 「江戸のはじめの広島」
(3)場所 広島県立図書館広島市中区千田町3-7-47)
(4)展示内容 
・江戸時代初期の藩主、福島・浅野・水野氏の関係図書
 ・滝口康彦作品等