災害に備える その1(古い地形図で調べてみませんか)

東日本大震災による被災者の皆様に心からお見舞い申し上げます。 
 こんにちは。

 東日本大震災の被害から、自分が住んでいる土地が昔どんな場所だったかを調べようとする人が増えているという記事が新聞等でも紹介されています。

 自分が住んでいる土地の昔の状況、地形や土地利用について知ることは、震災だけではなく水害等の災害に備える上では大切なことですが、どのような方法で調べることができるのでしょうか。

 最も利用しやすいのは、地形図で調べることです。
 そこで、県立図書館に所蔵している明治時代から現在までの県内の地形図、1/25,000地形図や1/50,000地形図を紹介します。

郷土資料室のマップケース

          郷土資料室のマップケース

 マップケースは、郷土資料室の奥まった所にあるので、ちょっと見過ごしてしまうかもしれません。地形図だけではなく、1/25,000衛星写真もありますので地形図と見比べるとわかりやすいかもしれません。
 県立図書館ホームページの蔵書検索で、書名に「25000 地形図」あるいは「50000 地形図」と入力すると、1/25,000地形図(113件)や1/50,000地形図(65件)がヒットします。

マップケースの中の明治〜大正期の地形図

        マップケース内の明治〜大正期の地形図

 明治〜大正期、大正期〜昭和初期、戦前期、戦後期、平成期と大きく5期に分けてそれぞれの時期の地形図を所蔵していますので、同じ地域の経年的な変化を調べることができます。例えば、現在の住宅地が河川(クリーク)であったり、湿地であったりしたことがわかることがあります。内陸部であっても、そのような場所は「液状化現象」が起こる可能性が高いといえます。明治22年(1889)7月28日の地震では、現在の神埼市神埼町でも噴砂現象が観察されています。

 このほか、1/25,000治水地形分類図も備えています。これは、旧湿地、旧河川、旧落堀(おつぼり:池や沼などの凹地跡)等が色分けされており、浸水や「液状化現象」を予測する上で参考になります。地形図と同じく、蔵書検索で書名に「治水地形分類図」と入力すると14件がヒットします。

 ただし、地形図等を読むためにはいくつかの基本的な知識が必要です。つまり、土地の起伏や高低は等高線で表されていますし、土地利用は記号で表されています。それらの等高線や記号を読まなければなりませんが、自分の住んでいる土地が昔はどんな土地だったのかを知ることができます。

 佐賀の活断層やこれまでの主な地震災害については以下でご覧になれます。

主な地震災害については:
http://www.pref.saga.lg.jp/web/at-contents/kurashi_anzen/sumai/taishin/knowledge/koremade.html

活断層については:
http://www.pref.saga.lg.jp/web/at-contents/kurashi_anzen/sumai/taishin/knowledge/katsudanso.html